最新の見聞録
「昔からの伝統を守りながら、新しいものにトライしていきたいという気持ちを店名に込めました」。
そう話すのは、『手打蕎麦 とらい』の店主、山川成美さん(49)だ。ご主人の決意を表すかのように、店に記された『とらい』の店名は太く存在感のある文字。仕事一筋に実直に取り組んできたご主人の人柄をも表しているかのようである。
ご主人がそばの道に入ったのは、高校卒業後。ピリケングループに就職、めん房つるつるの第1号店に勤務し、そこでそば打ちの基礎を学んだ。「当時は中山社長(現会長・
そばびと。No.001参照
)が若い者にじかに指導していて、私も教わりました。この世界の第一人者だけあり、仕事に対する情熱はとにかくすごくて、常に緊張感が漂っていました」と修行時代を振り返るご主人、中山氏の薫陶を受け、そばの技術を習得するとともに仕事への姿勢にも大きな影響を受ける。
この世界に入った頃から独立への夢を持ち続けていたご主人、10年間の勤務経験を経て、最初に自分の店として始めたのは弁当の店だった。「広い土地が確保できず駐車場が取れなかったので、弁当屋ならできるかなと思いまして。ピリケンではそばだけでなく、中華などいろいろな経験をさせてもらったので、それを活かして始めました」。大きな病院が近かったため、弁当店はそれなりに繁盛した。しかし、「いろいろやってきた中でそばが一番好きだったんです。だから、弁当屋をやりながらも、これでは終われない、いつかはそばの店をやりたいという気持ちがありました」。
念願叶ってそば店を開いたのが9年前。「開店したとき、中山社長が店に来てくれ、『ここまでやったか』と言って喜んでくれました」。公私ともにパートナーである奥さんの和代美さんも「主人は結婚前からずっとそば屋をやりたいと言っていましたので、開店したときは私も嬉しかったですね」と笑顔を見せる。夫婦にとってもこの店は夢の結晶である。
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