最新の見聞録
福井市若杉、ホームセンターなどが並ぶにぎやかな通りを一本入った道沿いに店を構える『そば処 裕心』。辛子色のかわいらしい暖簾には、人の顔に『裕心』の文字をあしらったユーモラスなイラストが描かれ、来る人を出迎える。
「店を始めて、この秋で3年になりますね」。そう話すのは、この店のご主人、中村康裕さん(56)。白髪混じりの髪を七三に分け、ロマンスグレーといった風貌。ビジネススーツを着ても様になりそうな雰囲気を漂わせている。聞けば、以前は事務用品の卸会社を経営していたというご主人、そばの道に入ることになったのは、10年前、あるスキーツアーに参加したことがきっかけだった。
「同じバスに乗りあわせた人とそばの話で意気投合しまして。後日、誘われてその方の手打ちそばを食べにいったら、あまりのおいしさに感動してしまったんです」。その人物とはふくいそば打ち愛好会の木村敬氏(
そばびと。No16参照
)。それまで食べ歩き一辺倒でそば打ちをしたことはなかったが、その日から木村氏に弟子入り。本格的にそば打ちを始めるようになる。
そばが打てるようになってくると、仲間内でそば会を開くなど人にふるまう機会も増えるようになった。そんなある日、県内経済人の仲間内で開くそば会で誰かがふと洩らした「50代で店をやらなかったら、この先、やれるときないよ」という一言。それがご主人の人生を変えることになる。ちょうど息子さんが会社を継ぐとことになったのも背中を押し、店を開くことを決意する。
しかし店をやると言った当初は周囲から反対された。その一人が焼鳥でおなじみ『秋吉』の島川社長である。
「あの方は食べ物商売の怖さを知っているからこそ反対したんでしょうね。今では応援してくれて、店にもよく来てくれていますよ」。そして最も反対したのが奥さんだ。
「自宅をそば会の会場にしたいといっただけでも怒られましたから。開店1ヶ月前まで内緒にしていました(笑)。最初は怒っていましたけど、今では諦めてちゃんと理解してくれています」。
|
TOP
|
サイトマップ
|
ご利用に際して
|
更新履歴
|
FBC-i
|
COPYRIGHT (C) 2004-2008 Fukui Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.