最新の見聞録
『小粒ながら確かなねばりがあり、香り豊か』と近年評価が高まっている丸岡産そば。その品質調整・出荷を一手に担っているのが、JA花咲ふくいである。
丸岡町にあるそば加工所を訪ねると大きな建屋の中には「そばの里 まるおか」の看板が掲げられ、そばを乾燥・選別する機械がうなりをあげる。
「ここで手を抜くと、せっかくのそばがいいそば粉にならないんです」そう話すのは、JA花咲ふくいに勤める小寺惣吉さん(53)だ。小寺さんの仕事は、一言で言えば生産者とそば店を結ぶパイプ役。生産者が手塩にかけて育てたそばをよりよい状態に品質調整し、そば店へと出荷する。いうなれば、原料の質を司る要のポジションである。
丸岡でそば生産が始まったのは約20年前。本格的に力を入れ始めたのは平成7年頃だが、当初小寺さんは反対した。そばは台風やあられなど気候の影響で被害を受けやすく、安定した収穫を考えるとリスクが大きいからだ。しかし、高山氏(
そばびと。No.38
)ら地元生産者たちの「絶対においしい」という熱意が小寺さんを動かし、そば栽培は軌道に乗り始める。
↑これが乾燥機の中の様子。
品質向上の一つの分岐点となったのが、あるそば店との出会いである。平成8年、京都の『じん六』というそば店からそばをわけてほしいと電話が入る。小寺さんは「ほしいならこちらへ来てください」と自信満々の返事。しかし、ほどなく京都からやってきた『じん六』のご主人に製品を渡したところ、返ってきたのは
「乾燥にバラつきがある」の一言。
「初めてのクレームです。頭を叩かれたようにガクーンと来ましたね」。このままでは商品価値が上がらないと頭を抱えた小寺さん。
しかし、
「素材は最高にいいのだから仕事のやり方を変えればもっと良くなる」と『じん六』のご主人から言われたことを受け、乾燥のシステム改善に着手。そして導入したのが、現在も使用している乾燥機である。そばの実をゆっくりと回しながら乾燥させるのでムラにならず、温度は28℃以下をキープ。熱でそばの風味が損なわれるのも防いでいる。
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