最新の見聞録
この店の看板メニューともなっているのが、かき揚げおろしそばである。高さ5センチ、直径10センチはある巨大なかき揚げは見るからに迫力満点である。
「福井ではかき揚げそばは少ないですけど、天ぷらとそばは相性がいいですからね」とご主人。実際、半数以上の人がかき揚げをオーダーするらしく、その数は多いときには1日に70個にもなるという。大きいかき揚げをサクッと揚げるにはコツがいるらしく、ご主人は専用の器具を使って手際よく油を馴染ませ、サクサクと香ばしく仕上げていく。
かき揚げおろしそばの魅力は、いろんな味わいを楽しめる点にある。まず、おろしそばとしてそばの味と香りを楽しむ。それから、かき揚げを乗せて天ぷらの香りを楽しむ。さらに、かき揚げにそばツユを染み込ませ、少しずつ崩しながらそばと絡ませていく。しっとりとそばツユを吸った衣。油がなじんだまろやかになったそばツユ。それぞれの味わいが混然一体となることで、そばの味わいに深みが生まれる。かき揚げに入っている小エビと貝柱の旨味がそばツユに丸みを与え、さらに、玉ねぎの甘さも絶妙な味の名脇役に。素材の持ち味が重なり合って最高のハーモニーを生んでいる。
↑そばは薄く緑がかっている。
存在感のあるかき揚げに目を奪われがちだが、そばそのものにもご主人のこだわりは活きている。使用しているそば粉は約9割が県内産。石臼で自家製粉しており、挽きたてのそばの香りを大切にしている。そば粉の配合にも気を配っており、「おかわりを頼まれた方には違うブレンドでお出ししたり、日によって微妙に配合を変えたりしています」と、そば粉のいろんな魅力を感じてもらえるよう工夫も凝らしている。また、移転を機に機械打ちから手打ちにシフト。「機械打ちではなかなかめざすそばができなくて。手打ちに変えてからはお客様の反応もいいですね」と、できることをひとつひとつ実現。着実に『その字』流を確立していっている。
【蕎麦 その字】
吉田和宏
氏
「ひとつの形に縛られず、そば屋の領域の中でできることをやっていきたいですね」と話すご主人、めざすスタイルは、お酒の飲めるそば屋だという。そばだけでなく、お酒も一緒に楽しめるようにと「隠れメニューとして、そば屋ならではの肴も置いています」というから、そば好きで酒好きの人には見逃せない。一人でふらりと立ち寄り、キュッと一杯飲んで、ツルツルと一杯のそばを食べて帰る。そんな『その字』スタイルを極めれば、粋なそば店の楽しみ方ができそうである。
【終】
〒910-0804
福井市高木中央2-2612
TEL.0776-52-1106
【
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【平日】
11:30〜15:00
17:00〜21:00
【土・日・祝日】
11:30〜15:00
17:00〜20:00
毎週月曜日定休
(祝日の場合は翌日)
24席
7台
おろし(¥600)、貝柱と小エビのかきあげおろし(¥1,000)、
辛味おろし(¥700)
一本義本醸造辛口(\400
)
※メニューと値段は平成17年5月現在のもので、予告なく変更する場合がございます。
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