福井県社会福祉協議会の新しい会長に、福井商工会議所副会頭の清水則明氏が就任し「全ての県民が慣れ親しんだ地域で安心して暮らし続けられる『福祉のまちづくり』を目指して、地域の助け合いの輪を広げ、共に支え合う社会づくりに全力で取り組みたい」と決意を示しました。

清水氏がトップに就任した県社会福祉協議会が、重要課題の1つとして取り組んでいるのが「福祉･介護人材の確保」です。

県内でも介護の担い手不足が深刻となる中、協議会では外国人介護人材の確保と育成に力を入れていて、2022年度からの3年間で、タイから合わせて53人の技能実習生を受け入れています。

来日から3年が経った実習生の一部は、即戦力となる人材を受け入れる在留資格「特定技能」に移行していて、県内の介護施設で活躍しています。

県内で活躍するタイからの技能実習生=県社協提供
また、協議会が去年実施した「若者のボランティア活動意識に関するアンケート調査」によりますと、県内の15歳から24歳の若者で、ボランティア活動に「興味がある」と回答した人の割合は全体の54.5％にとどまっていて、全国調査の62.2％を下回っています。

このため、協議会では若い世代がボランティア活動に積極的に参加してもらえるような取り組みや、児童を対象にした「福祉のお仕事体験」事業などに力を入れて、将来の福祉人材の確保にもつなげたいとしています。

もう1つの重要課題が「災害支援体制の強化」です。

被災地で活動する福井DAWT=県社協提供

去年の能登半島地震では、県社協や市町の社協から延べ759人が被災地入りし、災害ボランティアセンターの立ち上げや被災者のニーズ調査にあたりました。

また、災害時に高齢者や障がい者などの要配慮者の支援にあたる県災害派遣福祉チーム「福井DWAT」の事務局として、福祉のノウハウを持つメンバーの研修や訓練にも取り組んでいて、災害が広域化する中、他県の社会福祉協議会などとも連携し、災害への備えをより一層強化することにしています。

被災地で活動する福井DAWT=県社協提供