参議院議員選挙･福井県選挙区からは前回3年前と同じく、史上最多6人の候補者が出馬を予定しています。事実上の政権選択選挙とも言われる夏の政治決戦。候補者の政治への熱い思いを取材しました。


■敬老会でのあいさつ
「おかげさまで2期12年間、参議院議員をさせてもらった。この夏、3期目に向けての試練ということになる」

自民党の現職滝波宏文氏(53)。これまでに経産大臣政務官などを歴任してきました。


■敬老会でのやりとり
有権者「ここらはコメどころだから」
滝波氏「そうですね。コシヒカリ作った福井県ですから」
有権者「古古米食べなくても、おいしいものを食べたい」

"令和のコメ騒動"が国民の関心を集める中、農林水産副大臣として、3度目の選挙戦に臨みます。


■滝波宏文氏
「あまりに価格が高くなりすぎると、高い関税を払ってでも外国産米を持ってきてしまう。そうすると、わが国の稲作が守れなくなる。コメの高騰。大臣の交代。農林水産副大臣としても大変な状況。この厳しい逆風の選挙、何とか皆さんの力を借りて乗り越えたい」


■YouTube動画
「みなさん、こんにちは。かずえちゃんです」

立憲民主党から政界を目指すのは、ユーチューバー「かずえちゃん」として活躍する藤原和士氏(42)。同性愛者であることを公表しています。


この日は性的少数者LGBTQについての勉強会。自らの体験談を語り、座談会では参加者と悩みを分かち合いました。

■藤原和士氏
「優しくない社会と感じる」

今回の選挙では、婚姻制度の改正をはじめ、性的指向やジェンダーに基づく差別を法的に禁止したいと訴えます。


■藤原和士氏
「選択肢がないって、これって不平等だよな、差別だなとすごく感じていて。いろんな人の声を拾って聞いて、それを届けていきたいのが強い思い」

当たり前を覆し、誰もが認めあえる社会にしたいと意気込んでいます。


■診察風景
「痛くないけど、ちょっと引っ張られる感じがするから」

国民民主党から出馬する山中俊祐氏(41)。福井大学医学部附属病院の現役の救命医です。


■山中俊祐氏
「このまま低い経済成長率が次の30年続くと、自分たちの子ども、彼らが僕たちと同じ歳になった時に、海外に出稼ぎに行くのが普通になるような、そんな貧しい日本になるのではと思って。今こそ動くしかないと思って、政治家の道を選んだ」

6人の子どもを持つ父親として、子育てど真ん中世代として強く訴えるのが、減税と積極財政です。


■山中俊祐氏
「手取りと年金が増えていかないことが問題。消費税10パーセントから5パーセントに。103万円の壁を年収制限なしに178万円にすること。年少扶養控除を復活させて、ガソリンの暫定税率を撤廃する」

政治にメスを入れ、停滞する日本経済の活性化を目指します。


■妻との買い物
妻「おいしそうだけど、エビも高いね。ちょっとやめとく、きょうは」
山田氏「モノには適正な値段があるからね」

スーパーで食材とにらめっこするのは、共産党の山田和雄氏(57)です。


■山田和雄氏
「大企業に優しいだけの政治でいいのか。アメリカの言うことを聞くだけの政治でいいのか」

長引く物価高が家計を圧迫する中、一番に訴えるのは消費税の減税です。


■街頭演説
「全品目を5％に統一して減税する。期間は1～2年に限定にする政党もあるが、消費税を廃止できる時まで。利益を大きく上げている人には、利益に応じた税金を納めてもらう。徹底していく。そしてもう一回、累進課税のルールを復活させる」

7回目の国政選挙への挑戦も、暮らしに寄り添った政策を訴えます。


参政党から名乗りを上げたのは千田崇裕氏(38)。立候補を表明した4月から毎日、欠かさず街頭に立っています。演説を終え、向かったのは…。

自身が経営している焼肉店。政治に関心を持ったきっかけは、客との会話でした。


■千田崇裕氏
「昔は良かったんだよという話をよく聞いて。その頃から、何が今ダメなんだと考えるようになった」

■登校に付き添う
「いってらっしゃい」「いってきます」

2人の娘を持つ千田氏は、子育てにかかる金銭的な負担が人口減少に拍車をかけていると強調します。


■千田崇裕氏
「結婚を敬遠している世代もいる。経済的理由で結婚とか出産を諦めることがないような社会を作るべきなので、0歳から15歳までの子育て世代には毎月10万円を支給する」

愛娘たちに輝く未来を残すため、子育て世代ファーストの政策を訴えます。


■街頭演説
「日本保守党が掲げる"日本を豊かに、強く"。この理論の原風景が色濃く残るのは、ここ北陸」

日本保守党から出馬するのは、福井市内で飲食店を経営する大坂幸太郎氏(56)です。


■大坂幸太郎氏
「サービス業を今後どうやって盛り上げていくか。気持ちをぶつけていきたい」

大坂氏は食品にかかる消費税の撤廃を強く訴えています。


■大坂幸太郎氏
「飲食店というのは売値に対して敏感な業態で、値段が高いと客が過敏に感じてしまう。減税をすることによって財布の紐が緩んで、消費マインドが上がっていく。消費税がゼロになる恩恵はものすごく強い」

新幹線が開業した福井の経済をさらに活性化させるため、国政の舞台を目指します。


今回の選挙の争点は、物価高に伴う消費減税の是非や、今後のコメ政策といった私たちの生活に直結する問題ばかりです。

まもなく始まる選挙戦で、それぞれの候補者の政策や訴えはもちろん、実現可能性や財源なども冷静に見極めて、一票を投じることが必要です。